株をやれば世界が分かる

2月25日付東京新聞投稿欄より。

高齢者の株取引無税に
マンション管理士・鈴木康太56歳(東京都千代田区


これだけ報道されても、老人を狙った“おれおれ詐欺”“振り込め詐欺”は後を絶たない。でも裏を返せば、現在高齢者はしっかり貯金を持っていて、若者の方はスッカラカンという社会構図が浮かび上がってくるともいえる。
実際、日本経済がなかなか不況から脱却できない大きな理由に、この高齢者の貯金がさっぱり消費に回らない点がある。最近、政府もこの点に注目して、子や孫への贈与税を大幅に軽減し、家の購入などに資金が回るように考えているのは、結構なことと思う。
でも、私はさらに高齢者には株取引利益を一定額までは無税にし、眠っているタンス預金を株式市場に誘導するのも手だと思う。株というと、何かうさんくさいと考える向きもあるだろう。しかし、私自身十年株をやった経験から経済ニュースに関心を持ち、自然に経済だけでなく、社会全体のこと、国際情勢まで分かる利点はある。
うさんくさい儲け話、勧誘なども、直感で見抜けるようになったのは収穫だった。最高の脳トレともいえよう。いわゆる“振り込め詐欺”の不思議に、関西では被害に遭う人が少なく、首都圏や愛知県に被害が集中していること。私はこの原因には、買い物の際、値切りの掛け合い大好きな、大阪人気質があると思う。この値切り交渉が、大阪のオバチャンの脳トレになっているのでは。
高齢者の関心を株に誘導することで、滞留したタンス預金を還元し、高齢者の脳トレで、健康維持と詐欺事件防止に役立てば最高ではないか。

「社会全体のこと、国際情勢まで分かる」ようになった結果が、「大阪のオバチャンの脳トレ」か。
経済人に文化を語らせると、えてしてトンチンカンなことを言い出しがちだが、こんな末端にまでその傾向が。
だいたい、詐欺は「自分は大丈夫」と思っている人ほど、かえって引っかかりやすいのではないかと思いますが、それはさておき、いわば潜在的な詐欺被害者に株取引なんかやらせたら、危なっかしくてしょうがないでしょう。
人に無理矢理金を使わそうという、いかにも野蛮な経済人的発想のこの男、なんか名前&肩書きに見覚えがあるなあと思って、積んであった新聞をひっくり返してみたらやっぱり。

成田空港二十四時間化急げ


報道によると、年末年始の成田空港の利用者は、羽田の国際化の影響で大幅に減ったとか。昨年、成田空港は同時離着陸方式を採用することで、発着枠を大幅に増やすことにしたそうだが、肝心の客が減っては仕方ないだろう。
成田空港がこれからも、都心に近い羽田との競争や、隣国の空港との競争にも打ち勝って、生き残るには、二十四時間化は不可避と思う。
考えてみれば、この国際化の中で成田が今、深夜か昼間なんて、仕事に忙しいビジネスマンは考えてもいない。深夜でも発着できる他の空港に行ってしまう。
それに現在、成田上空では朝の開港を待ち、深夜に多数の飛行機が旋回している。その燃料代は無駄であり、また資源節約、二酸化炭素削減の面からも問題だ。
今は、昔と違って、防音や消音技術が目覚ましい発展を遂げ、工事現場の大騒音のそばでも、びっくりするくらい室内は静かに保てるようになっている。空港周辺の各家庭にこの技術を使えば、深夜でも静かで、睡眠に支障がないのでは。
それでも、どうしても窓を開けて寝たい人には、他の地域に引っ越してもらえれば良い。土地神話が崩れた現在なら余っている土地や家はたくさんある。
大体、世界の国際空港の中で二十四時間化されておらず、深夜は閉鎖している空港なんて、少なくとも私は一度も見たことも聞いたこともない。成田が殿様商売できた時代は終わった。速やかに夜もオープンして、これからも発展してほしい。
(1月20日東京新聞投稿欄)

外国なんか滅多に行かない人間からすると、成田って単に都心から遠いよ!そりゃ羽田の方が近くていいよ!なんだけどそれはさておき、歴史的経緯も基本的人権も理解できない粗雑さが、もはや犯罪的。
しかも直接の利害関係者ならまだしも、何でお前が成田空港のことを、そんなに心配してやらなきゃならんのか。
まあ株なんかやってるうちに、自分が日本経済の一端を担ってるような気になっちゃうんだろうね。