石原は脱いでもスゴいんです

石原慎太郎4月28日会見より(東京新聞)。

―世田谷区の保坂展人・新区長は、選挙で外郭環状道路の計画凍結を訴えてきた。
ナンセンス。昔から共産党とか社会党の左翼は同じことを言ってきた。なぜ反対なの。あそこの選挙も、自民党が割れちゃった。かつて、なんとか国原さん、って人が通った宮崎県知事選もそうだったというし。過去によくそういうケースがありましたがね。結局それでわけの分からない人が出てきたんだけど。まかり通らない。そんなものは。着々とやる。

―知事は過去、東京に原発を持ってくればいいと発言していた。

人間の技術で完全にコントロールできればどこに造ってもいい。ただ福島にしても想定外のことが起こった。
技術が及ばないとか管理がずさんだとかは、今までの事故や故障につながってきたと思う。福島は大きな教訓になった。ただ、化石燃料だけで、経済を維持するエネルギーはあり得るのか。原子力すべてに反対となると、どういう代案があるか、逆にお聞きしたい。だから私は原子力を全然否定しません。

全国知事会の新会長に京都府山田啓二知事が選ばれた。

(埼玉県の)上田(清司)君みたいな想像力のある人がならずに残念。役人の群衆に負けた。
このごろ、ばかばかしいから知事会には出ない。七割が国の役人出身。思い切った意見をまとめてみようと思うと、出てきた役所を振り返る。全然ものが通らない。(山田知事も)総務省出身で、先輩の片山君が総務大臣をしている。そこら辺の力関係でみると、あまり当てにならない。

―大震災後にずっと着ていた防災服を脱いだ。心境の変化は。

どうでもいいじゃない。人が何着てたって。心境は変化してません、全然。あれ暑いんだよもう。ネクタイせずに済むから着てたんだけどさ。夏服も作ってくれないかな。ネクタイって本当に弊害だね。あんなのしてるやつの気が知れないよ。

自分に反対する人間はみんな“アカ”か“わけの分からない変なやつ”か“役人”と切り捨て、「まかり通らない。そんなものは。着々とやる」と対話の余地も残さず決然と言い放つのは、為政者としてたいへん力強いですね。悪口の「想像力」に著しく欠けるのは、作家としてどうかと思いますが。
化石燃料だけで、経済を維持する」とか、相手が言ってもいないことに“反論”したり、閣僚が防災服から平服に戻ったときは散々こき下ろしておきながら、自身が脱いだときは「どうでもいいじゃない。人が何着てたって」とはねつけたり、の無手勝流も強さと人気の秘密でしょうね。子供を相手にしてるのと同じで、誰も勝てない。議論にならないもの。