銃後の護りは完璧だ

原発作業員に敬意を
非常勤講師 大山通子・60歳(東京都武蔵野市


13日付本紙2社面「ふくしま作業員日誌」での男性の言葉を読み、本当にショックを受けました。
この男性は6次か7次の下請けで、日当も8千円。危険手当も付かない。同じ仕事をしていて4次下請けでは1万2千円の人もいるとか。こんな命を懸ける大変な仕事をしてくれている人たちに群がり、ピンはねしていく人や組織がどれだけあることか。
日本の隅々にまで広がる、こういう下請け構造にやりきれなさを感じます。国難ともいえる原発事故の収束に、国民の汗の結晶である税金を投入しても、ほとんどはそういった業者に取り込まれ、懐を肥やす輩がいるのが現実でしょう。
また、記事の最後にあった、この男性の言葉もショックでした。「仕事がある限りここで働きたい。稼ぎたくて来たんじゃなくて、誰かがやらなきゃならない仕事だし、人の役に立てるかもしれないと思って来た。仲間もできた。将来病気になっても補償はしてくれないだろうけど」。何という心の持ち主か、と心の中で手を合わせました。
戦争と同じで、立案や指揮をする人は安全な場所にいて、現場では尊い心根の人たちが使い捨てられていく。政府と東電、国会議員にお願いです。現場で作業している人たちの全データを保管してください。そして、彼ら全員の一生をちゃんと見守ってください。
せめてそういう形で、無名の彼らに対して、私たちは感謝と敬意を表さなければならないと思います。吉田昌郎前所長だけではないのです。
(12月28日付東京新聞投書欄)

「感謝と敬意」ってそこかよ!
なぜ、とりあえず今の労働条件を改善せよ、って話にならない?
これじゃまさに「戦争と同じ」で、靖国にお祀りするから国のため立派に死んでください、って言ってるのと変わらないよ。

作業員の言葉も、軍隊に入った貧農の3男坊がお国のためと誇りを持ち、戦友もできて二百三高地に送り込まれます――みたいな感じで切なくなるよ。