永遠の仔猫たち その1

9月25日(水)

うちの兄妹猫も5カ月齢を越えて、そろそろ去勢・避妊を考えなければならなくなってきた。特にふく(兄)は時々あんこ(妹)に背後からのしかかり、首を甘噛みするような動作を……。取り返しのつかないエロゲ的状況が出来する前に、まずは専門医に相談。
というわけで、取りあえず全身麻酔の可否を調べる血液検査を受けることに。検査前10時間の絶食が必要ということで、前夜からメシ抜き。保たないかと心配したが意外と平気。ただ、朝はさすがにじれてきて催促に来るのを、出る直前まで寝たふりしてやり過ごす。
それよりも問題は運搬で、迂闊なことにまったく考えが至らなかったのだが、最初に2匹を入れて家まで連れてきたキャリーバッグでは、当然ながらずいぶんと小さくなってしまっていたのだった。そこに2匹とも入れようとすると、作用/反作用みたいに片方を入れればもう一方が飛び出、それを捕まえて押し込むとその隙にもう一方が――の繰り返し。仕方なく最後は洗濯ネットで罠を張って一網打尽に。そのままバッグに突っ込む。
病院に着くまでは不満たらたらだった兄妹は病室でバッグから出されると早速室内を調査。先生の足の臭いまで嗅いでご満悦であった。検査が始まるまでは。
まずふくから先に採血することになったが暴れる暴れる。看護師さんが押さえ込むのをはね除けようと必死。獣医さんが「顔を撫でてあやしてやってください」というので懸命になだめると、一瞬静かになるもののまた力を溜めてはねようとする。結局最初のポジションでは上手くいかず、体勢を変えて何とか完了。
解放されたふくは動く気力もなく、お気に入りのおやつを差し出されても見向きもせずに、茫然と抱かれたままになっている。そのおやつを羨ましげに見つめていたあんこも、いざ自分の番になるやじたばたし、こちらは爪まで切られてしまった。キャリーバッグに入れられるときも、出てくるときとは打って変わって力無くもどこかいそいそという感じ。
幸い結果に問題はなく、検査からひと月以内に手術しないとまた検査しなければならないということなので、2匹とも10月前半に相次いでお願いすることに。
家に帰ってきてからも2匹はすっかりへこんでしまっている。ふくは寝ていた布団の上からずり落ちても、体勢を整える気力もなくそのまま。

爪を切られたあんこはお気に入りのキャットタワーに登れず困惑。尻を支えてもらってようやく登れた天辺でひたすら眠る。

もう気の毒やらおかしいやら。
人間の都合でこんな目に遭わせてすまないが、お前たちを自然のままに暮らさせてやれるだけの甲斐性を持たない飼い主を許しておくれ。