地底・海底どんと来い!

解説を書いた文庫が相次いで発売になってます。


まずはブライアン・ラムレイ「地を穿つ魔」創元推理文庫)。
碩学のゴースト・ハンター、タイタス・クロウを主人公とする連作の長篇第1作。ご存じクトゥルー神話の1篇ですが、前半の恐怖ムードから、後半は地底に潜んで地震を発生させる邪神群に、人類の科学と叡智で戦いを挑むという、燃える(誤変換ではない)怪獣小説にもなってます。
解説の方は、10枚の依頼に20枚書いて半分縮めるという、ムダな情熱を発散してしまいました。


もうひとつは平谷美樹「呪海」光文社文庫)。
こちらも、東北のまつろわぬ神を祀る神社の、若き神職を主人公とする伝奇ホラー連作の第1作。海底に溜まった穢れが人形軍団となって、霧の中から襲ってくるという人形版「ザ・フォッグ」です。穢れが溜まるシステムに、社会科の授業を思い出すスケールの大きな仕掛けがあって、ツボ。


書店等で見かけましたらなにとぞよろしゅうに。



呪海―聖天神社怪異縁起 (光文社文庫)

呪海―聖天神社怪異縁起 (光文社文庫)